[PR]名古屋・看護師の求人:地域密着の看護師求人を探すなら

Back

消費者契約法違反訴訟、東急不動産実質敗訴で和解

 

東急不動産実質敗訴で和解... 1

和解条項解説... 2

東急不動産和解案に対する反論... 3

前提条件の誤り(第一項)... 4

買取りは不合理(第一項)... 5

明け渡し(第三項)... 5

和解の範囲(第四項)... 7

東急不動産和解条項案に対する反論... 9

東急不動産控訴のお知らせ... 10

経緯... 10

控訴人... 10

訴訟および原審判決の内容... 11

今後の見通し... 11

 

東急不動産実質敗訴で和解

東急不動産消費者契約法違反訴訟(平成18年(ネ)第4558号)は東京高等裁判所において東急不動産の実質敗訴で訴訟上の和解が成立した(20061221日)。和解内容は東急不動産が敗訴した一審判決に沿うものである。即ち一審判決は原告のアルス明け渡しと引き換えに東急不動産に売買代金全額2870万円及び遅延損害金の支払いを命じた。本件和解では東急不動産が和解金3000万円を原告に支払い、原告が20076月末日までにアルスを明け渡すことを骨子とする。

本裁判は、東急不動産が不利益事実(隣地作業所の建替え、騒音の発生)を告知せずに新築マンション「アルス」を騙し売りしたとして消費者契約法第4条第2項に基づき売買契約を取消した原告が売買代金の返還を求めて提訴したものである。一審東京地方裁判所平成18830日判決は東急不動産の不利益事実不告知を認定し、東急不動産に売買代金全額及び遅延損害金の支払いを命じた(平成17年(ワ)第3018号)。

しかし一審判決を受け入れよとの原告の思いも虚しく、東急不動産は無反省にも東京高裁へ控訴した。東急不動産は控訴趣意書を提出したが、その内容は一審判決が明確に否定した主張の焼き直しに過ぎなかった。一審において原告側は東急不動産の主張に逐一反論し、徹底的に潰した。しかし控訴趣意書は有効な再反論を行わず、原告側の主張立証に沈黙するばかりであった。

一方、原告側はアルスの構造設計者であるアトラス設計・渡辺朋幸が一級建築士資格を持たない無資格者であるとの新事実を入手し、附帯控訴も準備した。東急リバブル東急不動産の詐欺的商法は動かし難い事実であった。この中で和解は成立した。東京高裁では一度も口頭弁論が開かれることなく、和解が成立した。東急不動産は自社の正当性を主張するために控訴した筈だが、その主張を開陳することなく、和解に応じたことになる。

 

尚、浅沼良一・元二級建築士による耐震偽装問題で、強度不足が明らかになった分譲マンション(札幌市中央区)住民が、住友不動産(東京)に売買契約の取り消しと購入代金の返還など総額約4億1000万円の支払いを求め、年内に札幌地裁に提訴するとの報道がなされた。耐震基準を満たしていると説明したのは消費者契約法違反(不実告知)にあたるとしている。消費者契約法による不動産売買契約の取り消しが主張される第二の裁判になる。

 

和解条項解説

東急リバブル東急不動産が騙し売り(不利益事実不告知)を行ったとの原告の主張は従来と何ら変わらない。消費者契約法に基づく契約の取消しは形成権であり、意思表示によって法律効果を生じる。即ち原告が契約取消しの意思表示をした点で東急不動産との不動産売買契約は適法に取消された。原告が取消しの意思表示自体を撤回しない限り、一度生じた法律効果は変更されない。和解条項は取消し後の原状回復を定めたものと位置づけられる。本件和解において原告が訴えを取り下げなかったことは一審判決の正当性を示すものである。

上述の通り、契約取消しの意思表示により原告と東急不動産の間では既に所有権が東急不動産に戻されているため、本件和解は売買や買い戻し、買取りを意味するものではあり得ない。原告に所有権がない以上、アルスを売却する正当な権利を持たないためである。従って登記原因は「訴訟上の和解」となる。

東急不動産消費者契約法違反訴訟における和解は訴訟上の和解であって、私法上の紛争を解決するものに過ぎない。日常語の和解が意味する「仲直り」ではない。和解条項中に双方が義務を怠った場合の懈怠条項(過怠条項)が存在することが証左である。原告と東急不動産の間に信頼関係がないためである。不誠実な対応により一度壊された信頼関係が回復することはない。三歩歩けば忘れてしまう鶏のような愚者でない限り、感情面の問題は当然のことながら残る。東急不動産から騙し売りに対する謝罪がなされた訳でもない。

 

【明渡しと登記】和解成立から半年後の2007年6月末日までに原告はアルスを明け渡す。和解成立から明渡しまで半年あるのは東急リバブル東急不動産のマンション販売の実情に基づく。東急リバブル東急不動産の物件では契約締結から引渡しまで半年以上かかるのが通常だからである(青田売り)。

物件名

販売開始時期

引渡し

ブランズ宮崎台オンザテラス

2007年2月

2009年2月末日

ブランズ大宮宮原サンマークス

2007年2月上旬

2009年5月末日

THE TOKYO TOWERS

(ザ・トーキョー・タワーズ)

2005年7月上旬

2008年1月末日

訴訟上の和解にも私法上の契約的側面があるため、これに倣っている。

アルス明け渡しに先立つ2006年3月末日までに東急不動産は和解金3000万円を支払い、原告は所有権移転登記、抵当権登記抹消手続きを行う。所有権移転登記を明け渡しに先行させたのは実態に合わせたためである。原告は2004年に消費者契約法第4条第2項(不利益事実不告知)により売買契約を取り消しており、東京地裁判決が正当に認定した通り有効に契約が取り消された以上、原告と東急不動産の間では所有権は売主の東急不動産に戻されたことになる。所有権移転登記は実態に合わせるためのものである。

とはいえ原告側のみが一方的に所有権移転登記を行うことは東急不動産を利するだけであり、不公平である。そのため、2006年3月時点で和解金全額の支払いを行うことにした。また、抵当権付では完全な所有権にはならないため、抵当権を抹消した上で所有権移転登記を行うこととした。

 

東急不動産和解案に対する反論

東急不動産「和解案」(平成181116日)は被控訴人にとって到底受け入れられない内容である。そもそも東急不動産は和解期日において「複数案を出す」「柔軟に考えている」と大口を叩いた。しかし送付された和解案骨子は一案しかない。その内容は被控訴人が原審で提出し、東急不動産が文字通り一顧だにせずに拒否した案を流用する。柔軟に考えるどころか、自ら頭を働かせて考えたのかさえ疑わしい。東急不動産の口約束ほど信用できないものはない。東急不動産には主体的に紛争を解決する意欲がないと判断せざるを得ない。

そもそも一度拒否した案を半年以上経た後に受け入れようと提案することはいかなる了見か。一度断ったものを都合が悪くなると受け入れるのは無節操であり、虫が良すぎる。「だったら最初から断るな」と考えるのは当然である。東急不動産が断った時点で潰れた案である。東急不動産は一度断った提案を了解する前に自らの短慮を反省すべきである。東急不動産は平和を愛する被控訴人の信念を弱さと勘違いし、建設的に協議しようとする知恵を臆病者の気弱さであると誤った判断を下した。一度拒否した重みを考えるべきである。

東急不動産にはプライドも意地も存在しないのか。たとえ東急不動産にはなくとも、被控訴人は自信もあればプライドも意地も誇りもある。相手に一蹴された案を半年以上経過した後に受け入れると言われて喜ぶほど目出度くはない。被控訴人をコケにするのはいい加減にしてもらいたい。人としての倫理さえ喪失した東急不動産には満腔の怒りを禁じえない。

東急不動産は控訴趣意書を提出したのみであり、その内容も一審における主張の焼き直しに過ぎず、新たな証拠も提出していない。この状況下で被控訴人が譲歩しなければならない理由は皆無である。これでは二年間戦い続けて判決を受けた意味がない。当然のことながら被控訴人が受け入れられるものではない。

それでも被控訴人は、東急不動産が原審において行ったように理由も述べずに却下するような無礼な真似をするつもりはない。被控訴人は東急不動産を相手に駆け引きをするつもりはない。東急不動産と同じやり方でゲームをすることは、東急不動産に賛同すること、日本社会のモラルを崩壊させた堕落の一部になることを意味するためである。よって、以下に受け入れられない理由を詳述する。

 

前提条件の誤り(第一項)

東急不動産和解案の「被控訴人が本件マンションに今後居住しないことが前提」との記述は受け入れられない。問題の本質を捉えていない。本件の本質は、売買契約を維持するか、売買契約が騙し売りに基づくものとして解消(白紙撤回)されるかである。本来、「売買契約が解消されることが前提」となるべきである。

被控訴人が居住するか否かは次元が異なる問題である。被控訴人がマンションの所有権を持ったままでも、売却や賃貸という選択肢がある。第一回和解期日(平成18112日)において東急不動産は「住み続ける」という選択肢を提示したが、この場合は転売も賃貸もできなくなり、フランス人権宣言第17条が神聖不可侵と高らかに謳った所有権に重大な制限が加えられることになる。

仮に被控訴人が「住み続ける」という選択肢を受け入れてしまったならば、所有権が制限される点で問題物件を騙し売りされて泣き寝入りする状態よりも条件は悪くなる。問題物件を二束三文で売却し、損失を少しなりとも穴埋めする手段さえ封じられる。売却する場合は、売却するに至った理由(東急不動産の卑劣な騙し売り)を説明することになるが、問題物件に我慢して住み続けなければならないならば、その機会さえなく、東急不動産にとって都合の良いことこの上ない。

被控訴人の要求は一貫しており、東急不動産も十分承知している筈である。披控訴人は既に平成16112日の時点で書面にて契約解除を求めている(甲第33号証)。同年123日には東急リバブル及び東急不動産の両者に消費者契約法第4条第2項(不利益事実不告知)に基づく契約取消の意思表示をした(甲第39号証6頁)。同趣旨の内容証明郵便が東急不動産に127日に到達している(甲第8号証)。

この期に及んで居住するか否かを問題にする東急不動産には被控訴人の真摯に受け止める姿勢が皆無である。被控訴人の怒りは頂点に達している。被控訴人の要求には一切耳を傾けず、散々時間稼ぎをした挙句、自社に都合の良い主張のみ並べる相手とは協議できないことは当然である。

 

買取りは不合理(第一項)

東急不動産は「買取りが合理的と考えた」と主張するが、合理的であることの根拠は一切明らかにしていない。被控訴人は売買契約の取り消しを主張している。東急不動産が買取りを主張することは騙し売りに基づく契約を正当化したいものと考えられる。被控訴人が東急不動産和解案を受け入れるためには買取りが合理的であることを納得させるだけの説明が必要である。

実際問題としても、買取りが、被控訴人が東急不動産にアルスを売却する売買契約を締結することを意味するならば、新たに売買契約を締結することになり、和解調書と二度手間になる。収入印紙を貼る必要もある。

より重要な問題として契約取消は形成権であり、取消の意思表示により、法律関係は変動する。被控訴人による契約取消の意思表示が消費者契約法第4条第2項の定める要件を満たし、有効に成立したものであることは一審判決が適法に認めたところである。よって契約取消が成立した以上、披控訴人は自己の所有物ではないアルス301号室を他人に売却する権限を有しない。権限がないため、再売買は断固拒否する。

原審における原告側提案は一審判決が東急不動産の不利益事実不告知を認定する以前であったために意味があった。判決後は状況が異なる。

 

【東陽町の環境】被控訴人がアルスの引渡しを受けた20039月から現在までの間に、東陽町は地価の面では環境が好転した。従って売買契約を取り消すことは東急不動産にとって好条件であることを申し添えておく。

20039月は東陽町の魅力が減少した時期であった。テレビ朝日の東陽町放送センターは六本木ヒルズの新社屋に移転したためである。東陽町放送センターは「ミュージックステーション」等の番組で使用していた。

その後、20066月に株式会社ダイエーが本社機能を浜松町オフィスセンターから東陽町駅前ビルに移転した。あわせてグループ会社の株式会社セイフーも本社機能を東陽町駅前ビルに移転した。これにより、約1000人が東陽町で勤務する。

 

明け渡し(第三項)

明け渡し猶予期間を僅か二ヶ月とすることは受け入れられない。被控訴人がアルスの売買契約を締結したのが平成15626日であり、引渡しは929日である。契約締結から引渡しまで三ヶ月である。被控訴人は売れ残り物件を購入しており、アルス販売の第二期(最終期)登録受付は平成15426日で終了していた。即ち通常の購入では契約締結から引渡しまで六ヶ月以上要したことになる。

東急不動産(販売代理:東急リバブル)ではマンション完成前から販売する青田売りを採用しており、アルス以外の物件でも契約締結から引渡しまでには長期間ある。東急不動産らの新築マンション「THE TOKYO TOWERS(ザ・トーキョー・タワーズ)」では20057月に販売を開始し、竣工は20081月である。引渡しの三年も前から販売する。

被控訴人が和解期日において六ヶ月と主張したことは取引の実情を踏まえてのことである。東急不動産は自社が販売する際は引渡しを限りなく先延ばしにしながら、自社が購入する際は僅か二ヶ月での引渡しを要求する。東急不動産が消費者に不利益のみを押し付ける悪徳不動産業者であることは和解案からも明白である。被控訴人としては断じて受け入れられない。

時間稼ぎを重ねた一審での応訴態度や一審判決言い渡し直後の強制執行停止申し立て、控訴、控訴趣意書を踏まえるならば東急不動産が控訴審において徹底的に争うものと予想するのが自然である。ところが東急不動産は手のひらを返したような態度をとった。僅か二ヶ月で明け渡せと要求する。被控訴人の状況を完全に無視した暴論である。

それほど早く明け渡してもらいたいならば、控訴提起時に代理人間で「話し合いの余地は残しています」「和解含みの控訴です」と内々に根回ししておくべきであろう。一方的に控訴状を送りつけ、控訴理由書提出期限においても話し合いのための努力を行わず、一審と同じ主張を持ち出して全面的に争う控訴趣意書を提出しておきながら、和解協議が始まった途端、「さっさと明け渡せ」と主張することは筋が通らない。

 

【年度末】東急不動産が明け渡し猶予期間を僅か二ヶ月としたことは年度末にアルス301号室を売却できるようにしたいとの意図があるのではないかと推測する。4月は転居シーズンであり、不動産業界にとっては1月から3月までが成約の最も多い時期である。明け渡しをこの時期に間に合わせようとしているのではないか。和解をすぐまとめて、明け渡し期間を二ヶ月とすれば年度末に売り出すことができる。要するに自社の金儲けのことしか考えていない。

被控訴人にとっては年度末の多忙な時期に転居先を探して引越しをしなければならないことになる。被控訴人の勤務先は年度末に受注が増加する業態である。第4四半期(11日〜331日)で年間売り上げの約4割を第4四半期で占めていることになる。

原告の勤務先についてはアルス購入に東急リバブルの中田愛子に説明している。上場企業であるため、財務諸表は公開されている。同じく中田愛子に説明した原告の年収を証人尋問において声高に暴露する井口寛二弁護士のことであるから、情報は知っていて当然である(年度末が忙しくなることは常識にも合致する)。にもかかわらず、わざわざ年度末までに引渡しを求めてくるとしたら悪意をもった嫌がらせと判断するほかない。

そもそも今まで時間稼ぎをしていたのは東急不動産である。時間稼ぎをしてきた東急不動産には自分達が和解案を出した途端、被控訴人を催促するようなことは許されない。被控訴人が慎重に検討することは当然である。年度末に売却するという身勝手な期待は諦めるべきである。

 

【まとめ】東急不動産の主張は受け入れられない。

第一に被控訴人は既に条件として和解成立後6ヶ月と伝えている。

第二に東急不動産の販売手法では契約成立から引渡しまで6ヶ月の期間が生じることが一般である。

第三に年度末は業務繁忙期である。年間売り上げの約4割を第4四半期で占める。家探し、引越しをする余裕はない。

第四に東急不動産は早期明け渡しのための準備を何らしていない。被控訴人側の負担のみで早期明け渡しを求めることは不公平である。地裁判決は2006年8月30日に言い渡され、東急不動産は9月5日に控訴した。それ以降、11月になるまで和解の話は全くなされていない。東急不動産が和解の意向を示したのが11月2日、和解案骨子を出したのは11月16日になってからで、被控訴人側には明け渡しまでの準備が何らできていない。東急不動産が早期の明け渡しを求めるならば早期に和解の打診をすべきであった。それを行う時間的余裕は十分にあった筈であるのに、あえてしなかったのであるから責任は東急不動産が負うべきである。

第五に今から3月までに転居先を探すのは遅過ぎる。既に不動産会社より2007年3月末までに引き渡し可能な住宅を探している人がいるため、物件の売却を求めるとのチラシがポスティングされている。株式会社大京住宅流通から2006年12月9日、住友不動産販売株式会社西葛西営業センターから2006年12月10日にポスティングされた。

ここからは2007年3月までに転居先を探す場合は既に不動産業者に依頼していることが分かる。不動産業者に依頼したが、条件に合う物件がなかったために売却不動産を求める広告を出したと考えられる。従って2007年3月に転居予定の人はもっと前から行動を起こしている。即ち和解成立後に2007年3月末引渡しの転居先を探しても間に合わないのが現実である。不動産取引の事情は東急不動産が十分に熟知していることである。

 

和解の範囲(第四項)

東急不動産の主張は受け入れられない。自ら蒔いた種で信頼を失っておきながら、原状回復を骨子とする和解案で全てを水に流して再出発しよう、というのでは納得が得られる筈がない。東急不動産の徹底的な時間稼ぎによって本件紛争の解決が遅れたことは事実である。その間に東急不動産物件には本件不利益事実不告知以外にも実に様々な問題があることが判明した。例えば一審判決後にはアルスの構造設計者(有限会社アトラス設計・渡辺朋幸)が一級建築士資格を有していない無資格者であることが判明した。

被控訴人は請求対象を明示して提訴している。和解が本件訴訟を解決するものならば、和解の解決対象は訴訟の範囲内である。東急不動産にとって裁判外の和解を求める機会はいくらでもあったと思われるが、あえて裁判上の和解を求めた以上、訴訟で請求した以外のことまで解決を求める資格はない。和解条項には「控訴人及び被控訴人は、本件に関し、本和解条項に定めるほか何らの債権債務のないことを相互に確認する」と書けば足りる。

そもそも東急不動産は解決させたい内容について一切言及していない。これでは被控訴人に「何があろうと文句を言うな」と要求していると判断せざるを得ない。東急不動産の要求内容は不明瞭であるため、和解条項になじまない。対象を特定しない条項は後日の紛争を招くだけである。

誤解を招くことがないよう、和解条項が都合よく解釈されることがないよう、以下の趣旨が和解条項に盛り込むことを要求する。

第一に本件和解は被控訴人以外の東急不動産物件購入者又はアルス管理組合と東急不動産との間の紛争を解決するものではない。和解が有効に成立するためには、対象となる権利関係が当事者にとって自由に処分できるものでなければならないためである。

第二に本件和解は建築基準法・宅地建物取引法等の行政法及び刑法の適用に影響を与えるものではない。

第三に本件和解は被控訴人の思想信条の自由、表現の自由、集会・結社の自由に何ら影響を与えるものではない。

第四に本件和解は過去に起きた全ての事実を否定するものでも隠蔽するものでもない。自分自身に対しては、いくらでも嘘がつける。しかし過去の事実を変えたいと望むことは、自らの過去を拒絶し、否定することになる。それは現在をも否定することになる。過去を否定することは、現在の自分を形成しているものを否定し、ひいては自分自身をも否定することにつながる。何故なら過去は現在の積み重ねだからである。

東急リバブル東急不動産が卑劣な騙し売りを避けがたい宿命として、ひたすら正当化し、絶対化するならば、東急リバブル東急不動産は今後も騙し売りを繰り返し続けることになる。東急リバブル東急不動産の騙し売りを第一の犯罪とするならば、それを否定することは第二の犯罪となり、否定論を目過することはその共犯ともいうべき第三の犯罪となる。たとえ東急リバブル東急不動産が忘れたい過去の事実に押し潰されそうになるほど傷つきやすい精神をもっていたとしても、下らないプライドと弱い精神によって過去を歪曲し、事実を否定することは許されない。

故に東急不動産が行う最初の一歩は他人が半年以上も前に作成した和解案を悪用することではなく、自らが騙し売りを行ったという事実と正面から向き合うことである。それによって東急不動産は長年生み続けてきた罪のいくつかを清算することができる。さもなくれば本件騙し売り事件は東急不動産にとって終わりなき悪夢となる。

 

【訴えは取り下げない】被控訴人による訴えを取り下げは受け入れられない。和解には訴訟終了効があるため、訴えを取り下げる必要はない。

また、消費者契約法に基づく契約の取消は形成権であるから、意思表示によって法律効果を生じる。従って訴えの取り下げ如何に関わらず、売買契約が取り消されたという事実は変わらない。

 

東急不動産和解条項案に対する反論

東急不動産からの和解条項案は和解期日での合意内容とかけ離れているため、大変驚いている。東急不動産和解条項案は上記内容を無視しているため、応じられない。以下、理由を詳述する。

 

【登記】所有権移転登記の先履行には応じられない(第2項@)。東急不動産の要求は抵当権設定登記の抹消であった。「ネズミにミルクを与えると、次はクッキーを要求する」という点で東急不動産はテロリストと変わらない。この一事だけでも正直申し上げて和解協議をする意欲をなくさせるのに十分である。和解金が支払われていない状態で片務的に登記を移転することには応じられない。東急不動産にとって被控訴人が信用できないならば、所有権移転請求権仮登記ならば検討の余地がある。

 

【使用料相当額不払い】6月までは使用料相当額を支払うつもりはない(第5項)。これは和解協議で決まったことと認識している。使用料相当額を月15万円とする根拠もない。既に東急不動産は使用料を8万円と認めている(和解案20061116日)。隣地が工事中であること、作業所の騒音(東急不動産は販売時に説明しなかった)、アスベスト使用、構造設計者が無資格であることなどアルスにはマイナス要因が多く、それら全て認識していたら8万円でも借りたくないというのが本音である。

使用料の支払いを和解金から控除するのではなく、毎月清算にしている点で東急不動産は狡猾である。被控訴人側に無用な手続きを強要することになる。そもそも使用料相当額を要求しながら、売買代金に対する不当利得を支払わないのはアンフェアである。

 

【高利】東急不動産は被控訴人が明け渡しを怠った場合の遅延損害金を75000円としている(第4項B)。使用料相当額を15万円としており、利率50%に相当する。これは消費者契約法第9条第2号で定める14.6%を優に超過する。

 

【出鱈目な懈怠条項】東急不動産の懈怠条項は出鱈目である。第4項@では「控訴人は、被控訴人に対し、被控訴人が第1項所定の金員の支払いを怠ったときは、遅滞した金額に対して遅滞した日から完済に至るまで年10%の割合による金員を支払う」とする。被控訴人が和解金の支払わなければならないように解釈できる。結局のところ、東急不動産には和解金を支払う意思がないのではないかと受け取れる。

4項Aも控訴人(東急不動産)が履行を怠った場合に遅延損害金を支払うことになり、不合理です。東急不動産は経験豊富な三人の弁護士を付しており、内部のレビュー体制も充実しているから、控訴人と被控訴人を書き間違えたとは考えられず、また、そのような言い訳が通じるほど世の中は甘くはない。東急不動産には時間稼ぎのために和解に応じる姿勢を示しただけであって、和解に応じる意思はないと判断できる。

 

【意味不明な条項】和解期日では債権債務のないことの確認とその余の請求の放棄だけであった。しかし和解条項案第9項には「訴訟外の諸問題についても本和解成立をもって終了したことを相互に確認する」とある。これは意味不明であり、受け入れられない。

 

以上

 

東急不動産控訴のお知らせ

 

2006914

 

各位 

 

東急不動産消費者契約法違反訴訟判決に対する東急不動産控訴のお知らせ

 

東急不動産消費者契約法違反訴訟の東京地方裁判所平成18830日判決に対し、敗訴した被告東急不動産が控訴しましたので、下記の通り、お知らせいたします。東急不動産は敗訴判決を不服として東京高等裁判所に控訴したものであります。

 

経緯

2005218日、マンション「アルス」(東京都江東区)の購入者(原告)が売主の東急不動産を被告とし、消費者契約法4条(不利益事実不告知)に基づき、マンション購入契約の取消及び購入代金の返還を求めて東京地裁に提訴した(平成17年(ワ)3018)。東急不動産(販売代理:東急リバブル)が不利益事実を告知せずにマンションを販売したためである。

2006830日、東京地方裁判所にて東急不動産の消費者契約法違反(不利益事実不告知)を認める判決が言い渡される。

200698日、東京地方裁判所は東急不動産の申し立てにより、強制執行停止決定を出す(平成18年(モ)第10017)。2200万円の担保を供託することを条件に本案判決があるまで強制執行を停止する。

200699日、原告は上記強制執行停止決定を受ける。これにより、東急不動産が一審判決を不服として控訴したことが確認された。

 

控訴人

(1)名    称    東急不動産株式会社

(2)所  在      東京都渋谷区道玄坂1-21-2新南平台東急ビル

(3)代表者の氏名    代表取締役社長 植木正威

 

訴訟および原審判決の内容

(1)訴訟の原因

東急不動産は、新築マンション「アルス」売買契約の締結について勧誘をするに際し、原告に対し、本件マンションの完成後すぐに北側隣地に3階建て建物が建築され、その結果、本件建物の洋室の採光が奪われ、その窓からの眺望・通風等も失われるといった住環境が悪化するという原告に不利益となる事実を故意に告げなかった。

 

(2)請求の内容

1.被告は原告に対し、原告が被告に対し、別紙物件目録(二)記載の建物から退去して同目録(一)記載の土地の持分167008分の5702および同目録(二)記載の建物を引き渡すのと引換えに、金28700000円および平成1571日から支払済みに至るまで年5パーセントの割合による金員を支払え

2.訴訟費用は被告の負担とする

との判決および仮執行の宣言を求める。

 

(3)原審判決の内容

1.被告は、原告に対し、原告から別紙物件目録2記載の建物から退去して同目録1記載の土地の持分167008分の5702及び同目録2記載の建物の引渡しを受けるのと引き換えに、金2870万円及びこれに対する平成16年12月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2.原告のその余の請求を棄却する。

3.訴訟費用は被告の負担とする。

4.この判決は第1項に限り、仮に執行することができる。

 

今後の見通し

原告は、原審において認められたように、不都合な事実を隠してマンションを販売する東急不動産の騙し売り行為が消費者契約法第4条第2項(不利益事実不告知)に該当すると確信しています。控訴審においても引き続き、原告の名誉にかけ、東急不動産の主張の欺瞞を論難し、原告の正当性を主張していく方針です。

 

以上

 

 


[PR]血液型生年月日で運命診断:無料お試しも本格鑑定!